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2014年4月号 なかがきみゆきさんより、おてがみが届きました

みなさま、はじめまして、こんにちは。
先日の大雨で、大阪は随分と涼しくなり、夏の終わりと秋のはじまり、季節の移り変わりを感じています。

今日は気のおけない友だちと話した言葉と時間についてのお便りを綴ります。

毎日、スマートフォンからツイッターやフェイスブックを覗いては、溢れ出すたくさんの言葉や情報を見ては、自分自身も言葉を送っています。

時おり、私は、この小さい画面に映る無限に広がる世界で、たくさんの言葉を本当に必要としているのか、何を確認し、知りたいのか、自分をどう知ってほしいのか、それはほんとうのことかな?とふと立ち止まることがあります。

会話とは違って、言葉の繊細なニュアンス、手触りのような感覚が抜け落ちていないか、惑わされていないか。一番話したいことがうまく言えず、こぼれた言葉のその部分が伝えたいことかもしれない…ともどかしい気分になったり。

言葉が消費されていくような気がして嫌だ、多くの情報を受け取れないから、とやめていく知人もいました。

それでも、やっぱり言葉によって励まされたり、自分にとって必要な情報も取り入れたいから、やめられないし、大事なことは、言葉に対する身体感覚や時間の流れを自分たちの中で、ちゃんと持っていたら大丈夫なんじゃないと話し合いました。

身体感覚は、身体が周囲の環境や刺激に対してどう反応するかに敏感であることや時間は自分たちの時間の流れを感じておくこと。

言葉と対峙した時の自分の気持ちに敏感であろうとすると言っても、すべての言葉に対してなんてとても出来ない気もしており、なるべくそうありたいという心持ちです。時間の感覚は、人それぞれですが、家へ遊びに来る友達に何が食べたいって聞いたら、二週間後ぐらいに、ずっと考えてたんだけど、グラタン食べたいっと返事がきました。

わりかしすぐに答えや返事を求めてしまう質なのですが、ずっとのずっとは、そのことばかりを考えていたのではないにせよ、自分の府に落ちるまで答えをすぐに出さない、ぽんとひらめいた時に返事を返す友だちの時間感覚が、とてもいいなぁと思いました。

言葉も時間も、自分のペースで、トトトッと歩けばいいし、言葉にたいする接し方が以前と比べて変わっても、言葉はちゃんと存在していて、言葉の持つ力は変わらず、自分たちがどう向き合うかなんだと語り合いました。

こぼれた言葉の一番伝えたいところ、そのありかが知りたくて、今日もまた言葉を探し、言葉を見つめています。


■なかがきみゆきさんって、どんな人?
nalagaki
なかがきみゆき

1980年大阪生まれ。2003年より、ラスとガキ女性二人によるほぼアカペラの唄うたいユニット「ばきりノす」で関西を中心に活動中。2012年に野外録音を中心に制作した1stアルバム「まほろば山の唄うたい」を発表。本作では環境音をあえて取り入れ、その場でしか作用しない偶然の重なり、声と場の混ざりあいのおもしろさを表現。唄うたいの他にイベントの企画などもしています。

http://www.bakirinosu.net/

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