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2013年11月号 冠 那菜奈(かんむり ななな)さんより、おてがみが届きました

「現代の冠職人になる」

蘭の会の皆様、初めましてこんにちは。
東京で主に活動しております、メディエーターの冠 那菜奈と申します。
メディエーターってなんぞや?と思われる方も多いかと思います。私もまさか自分がそんな肩書きを名乗って仕事をするようになるなんて、数年前までこれっぽっちも思っていなかったんです。不思議なものですよね。

まず、「メディエーター」という言葉自体の意味ですが、madiate=仲介する、媒介するという意味からきており、直訳では仲介者、媒介者ということになります。簡単に言えば、AさんとBさんをより良い状態で引き合わせる、つなぎ合わせる人でしょうか。
なぜ、自分がこの言葉を考え出したかというと、自分の中にあったいくつかの問題意識や興味が偶然重なり合って、身をもって必死になって考えたのがきっかけです。SNSなどの個人メディアが出始め、メディアという言葉がより身近になったことも関係しているでしょう。少し前までは、メディアという言葉だけ聞くとテレビや新聞などのマスメディアを思い浮かべることがほとんどでした。もちろん、テレビや新聞の情報は受け取っていましたが、その業界に進みたい!と思うことは特にありませんでした。

小さい頃からずっと思っていたのは、「人の感情を動かすことができる(幅広い意味での)アートという分野はなんだかわからないけどすごい。それがあると人は生きているっていうことをちゃんと感じられるらしい。それで笑顔になれる人が増えるのであれば、自分はそこに携わっていたい。」ということでした。バブル崩壊後に物心がついた私にとっては、元気がない社会を元気にしていたのはアートだと特に根拠があったわけではないのですが、本能でそう思っていました。 一つでも多くそういう場に立ち会ってみたくて、もともとの雑食気質も相まって、面白い人がいると聞けばイベントのテーマは関係なしに、色んなところに顔を出すのが好きで、そこで見てきたものや感じたことを人に話すのも好きでした。

今思えば、その昔まだ文明が発達していなかった頃は、そうやってどこかに行って面白いヒトモノコトを見てきた人が仲間にそれを話し伝えて情報が行き来していたのだなぁと改めて思うわけです。その人自体がメディアであり、メディエーターである。
現代は技術の発展と共に、個人メディアを使って誰でも好きな情報を簡単に発信できるようになりました。そこに、色んな分野や現場をウロウロしていた自分の言わばライフワークが相乗効果となり、自分自身が媒介者となって情報を発信・つなげることができるようになったのです。
でもそれは、自分の中ではあくまでも
「人の心が動く瞬間を見たい、想像しなかったことが起きていくのを見たい」といった欲求に素直になった結果です。 ですから、「アウトプットの形はどんな形でもいい、むしろその人その人によってカスタマイズしていけるようになりたい」そう思っています。

ここで自分の名前の話を最後にしたいと思うのですが、私の「冠(かんむり)」という苗字は起源を辿ると、その昔大陸から渡ってきた冠職人に端を発します。大陸から冠が持ち込まれた時は、まだ日本にはその様な概念はなかったのでしょう。そこから高貴な人、偉い人にその称号を表すものとして冠がつくられたそうです。そこから先祖代々偉い人のお膝元で職人として冠をつくり続けていました。もちろん、明治以降多くの冠を作る必要がなくなってしまったのと、子孫を多く残そうとしなくなってしまったので、その技術や子孫は引き継がれていないのが現状です。小さい頃はあまりにも珍しすぎる自分の名前があまり好きではなかったのですが、大人になってその心意気は受け継いでいるかもしれないと、ふと思ったのです。

冠は帽子の様に何か便利な機能があるわけではありません。人にかぶってもらって初めて冠は意味を成す、その人をより美しく、かっこ良く見せるのが冠です。
私が現代の冠職人だったとしたら、ただ物としての冠を作るのではなく、その人がより良くなるために色んな手を尽くすだろうと思ったのです。だから、様々なメディアを駆使してヒトモノコトをつなぎ合わせ、その人の笑顔や違った一面を創るというのが私の使命なのです。

まだまだ、メディエーターという存在でいるためにはたくさんの修行が必要なのですが、自分らしくこの肩書きを育てて行きたいと思っています。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。


■冠 那菜奈さんって、どんな人?
kamukamu
プロフィール
冠 那菜奈(かんむり ななな)メディエーター
1987年東京都生まれ。武蔵野美術大学芸術文化学科2011年卒業。アートマネジメント専攻。卒業後、フリーランスで多様な活動を展開。現在、としまアートステーション構想事務局長、アートバラエティ番組「アーホ!」制作、住み開きシェアハウス「ぐるっこのいえ」をやってます。
様々なメディアを駆使し、ヒト・モノ・コトをつないでいくメディエーターになることを目指し、奮闘中。
距離や時間、分野を越えてリアルでクリエイティブな繋がりを創っていきます。
得意技はしゃべる、食べる、笑う、歌う、踊る!

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