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2017年12月号 正木恵子さんより、おてがみが届きました

はじめまして、正木恵子と申します。
文章がとても苦手なのでこのお手紙を書くかどうかものすごく悩んだのですが、がんばって筆?をとりました!つまらないお手紙ですがすみません。
私は打楽器奏者をしていまして、ざっくり言うと太鼓からマリンバ、マラカスなどの小さな打楽器まで色々な打楽器を演奏したり教えたりしています。それと、保育園や学校、公共施設などで、子どもたちや障害のある人ない人やお年寄りなど色々な人と、うたを作曲したり楽器を演奏したりする音楽ワークショップもしています。
さて、私の自己紹介話は置いておいて。
2月のことですが、音楽家の赤羽美希さんと2人で組んでいる音楽ユニット「即興からめーる団」で主宰しているワークショップ・プロジェクトの『うたの住む家』(集まった人たちとうたを作るワークショップを2007年から100回以上続けています)を東京の両国門天ホールで行ないました。いつもは即興からめーる団が音楽のワークショップをするのですが、その日はゲスト講師に上田假奈代さんを迎えて詩を作るワークショップをしていただきました。そこで、なんと私も詩を作らせてもらいました。ドキドキ。
詩の作り方はこれまたざっくり言うと、2人ペアになってお互いインタビューし合って、相手から聞いたことのメモを元にして詩にする。というものでした。
私は両国門天ホール支配人の黒崎さんとペアになってお互いにインタビューし合ったのですが、黒崎さんはとても面白い方で、私があまり何も質問しなくても(インタビューなのに)面白いことをどんどん話してくださるので、瞬く間にたくさんの言葉が私のメモ用紙に並んだのでした。そしてそのメモから詩にしたのですが、相手の言ったことだと思って書くからか、文章が超苦手で作る自信が全くなかったはずなのに自動書記のように筆が進み、あっという間に詩を作ることが出来ました!詩を書いていた時、すごくアドレナリンが出ていて不思議な感覚でした。詩人のみなさまもそうなのでしょうか??
と言うわけで(どんなわけ)、その作った詩を載せて最後のご挨拶にさせていただこうと思います笑 ちなみに、上田さんのワークショップでできた詩の数々はいくつか作曲してうたにしていく予定です。ドキドキ!
あと、黒崎さんが私にインタビューして作った詩のほうが実はめちゃくちゃ傑作だったのですが、そのお話は、またいつか。

「引っこしの夜」
月に星

宇宙人がいそいでトラックを運転している
誰の引っこしかはわからない
ひもでくくられたほろから 何かがはみだして

色んな引っこしがあるけれど
引っこすとは

引っこしはあったほうがいい
捨てるものを取捨選択して
きれいになる ふしめになる
もう引っこすことはないわたし

宇宙へとはしるトラック
未来はもはやトラックではなく
フェリーのような宇宙船に
すぽん と すいこまれて
行くのかもしれない

なんとなく ふさわしいのは
日本語ではない

■正木恵子さんって、どんな人?
keiko
プロフィール:正木恵子(まさき けいこ)
打楽器奏者。12歳で打楽器を始める。名古屋市立菊里高校音楽科を経て、日本大学芸術学部音楽学科打楽器専攻卒業。
現在、フリーパーカッショニストとして打楽器やマリンバの演奏・指導に携わるほか、劇音楽の演奏やダンスとの共演、映像作品とのコラボレーション、即興演奏など、幅広い音楽活動に取り組んでいる。また、子どもや高齢者、障害のある人との音楽ワークショップを保育園や学校、コミュニティ施設等で数多く行っている。
音楽ユニット「即興からめーる団」メンバー。打楽器奏者3人組による打楽器アンサンブル「どってん博物館」メンバー。おもちゃ楽器バンド「moccha」メンバー。
うたの住む家ホームページhttp://utanoie.is-mine.net
即興からめーる団ブログhttp://improkarame.blogspot.jp

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