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2009年8月号 蔭井暢春(かげいちょうしゅん)さんより、おてがみが届きました

蘭の会の皆様初めての便りです、私は能面製作にて糊口を凌ぐ者です。

「氷柱に手を差し延べる若女 暢春」〜無駄話ですが読んでくださいませ。

どこかで世阿弥という名前を聞かれているかと思いますが、その能役者世阿弥の著作に「風姿花伝」があります、

中でも有名なご存知の「初心忘れるべからず」がありますね、

これは一般的に、結婚式、入社式などで引用されて初々しい最初の気持ちを保ちなさい、

大切にしなさいと教えられますが、初めというものは気持ちばかりが先走り、また技術的にも未熟で失敗が多いものです。

そこで私はこの様に考えております。毎朝目覚めた時、詩をかかれるなら鉛筆を手にした時、一年たてば一年目の初心、

十年たてば技術的にも腕は上がりその時にも初心はあります、未熟な時の初心ではなく、

その日その時ゞの初心を忘れないで暮らしていきなさいと世阿弥は「時ゞの華」と表現した様ですね、

年齢を重ねていきその時ゞの華を、華のある初心を大切にしたいものです。

蔭井 暢春

■蔭井 暢春(かげいちょうしゅん)さんって、どんな人?

滋賀県近江八幡市出身、県立工業高校から和食の板前に。そこの同僚に悪い遊びを誘われ行った先が能面師宅、ひょんな事から能面製作にはまり込んで四十年まだ満足な物ができず自己との闘い中です。

cho-syun san
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